子どもが学びたいと思えるような授業は,導入が面白い。
導入なんかせずに「いきなり課題に入った方がいい」と言う先生もいました。
私はそう言われて,そうしていたときもありました。
私「はい。では今日は二次方程式を学びます。二次方程式とは,(二次式)=0となる式で…」
子どもがついてきてくれたので,授業は成立しました。
でも,やっぱり子どもたちの「やらされている感」はずっとありました。
アクティブラーニングが世間で広まっている中,導入の重要性がとても大切になっている気がします。
子どもたちが「知りたい!」「学びたい!」「解きたい!」と思えるような導入をしていきたいです。
クイズ形式
授業内容に関わるクイズを行います。
先生「ではこれから数字あてクイズをします」
① 4+▢=2 ② 3×▢ー5=22 ③ ▢²=9
生徒「①はー2。②は9。③は3でしょ!簡単だ」
先生「残念!1問まちがえてます。」
生徒「え,なになに?どこが? ▢に数字入れたら全部成り立つじゃん!」
先生「ヒントは③の問題です。平方根!」
生徒「あ! ー3も答えだ!」
先生「ピンポーン!正解! 実は③の答えは2つあります! 今まで答えは1つだと思っていたでしょう? 実は答えが2つある問題があるんです。今日はそんな答えが2つある問題に取り組んでいきたいと思います。どんな場合に答えが2つあるのか,考えてみてください。」
このような感じです。
「クイズ」という言葉は,誰もが取り組みやすい言葉かなと思います。逆に「超難問!」のようにすごく難しそうな言葉に変えてもいいかもしれません。
算数・数学のような「これ学んでなんの役に立つの?」とか言われそうな課題では,やりやすいかもしれません。
プレゼンテーション型
芸人さんの芸で「フリップ芸」があります。あれを使います。
何枚か紙(B4かA3)を用意します。自分の伝えたい言葉を書いたりや絵を描いたりします。
先生「まず,これをごらんください」(1枚目を見せる。)
先生「この魚はなんていうでしょう」
生徒「メダカ!」
先生「正解! では,つぎの魚は?」(2枚目を見せる)
生徒「えー,これもメダカ!」
先生「正解! では1枚目と2枚目では何が違う?」
生徒「えー! 1枚目も見せて!」(1枚目と見比べる)
生徒「分かった! どっちかがオスで,どっちかがメス!」
先生「正解! 今日の学習内容はこれ!」(3枚目を見せる)
先生「メダカのオスとメスを見分ける方法を見つけよう!」
このような感じです。
生徒の視線がフリップの方に向くので,全員参加しやすいです。
他にも「この数字はなんの数字でしょうか?」と数字だけを見せても面白いかもしれません。
今はICTも進んでいるので,パソコンのプレゼンテーションソフトで作ってもいいですね。
結構,強力な方法なので,使ってみてください。
手紙
授業内容について,手紙を読み上げる方法です。
先生「実は,私たちのクラスに手紙が届いています。」
生徒「えー,どんな?」
先生「読み上げてみますね。…みなさん,こんにちは。私は学校の近所に住んでいる者です。最近困ったことがあったので,相談したくてお手紙を書きました。最近フードロスという言葉をよく聞きます。私の家でも,多くの食材を捨てています。どうすれば,減らすことができるでしょうか?…というお手紙です。」
のような感じです。
総合や国語の授業で使えます。
あまり身近に感じにくい課題(環境問題など)で使うと,効果的です。
最後に子どもたちに返信させるといいかもしれませんね。
その他
・読み聞かせ…学習内容と関係のある文章を読み聞かせる。
・体験会…学習内容と関係のある活動をすることで,難しさや楽しさを実感させる。
・映像…学習内容と関係のある映像を見せて,意欲を高める。
・実物…学習内容と関係のある物を見せる。
・欠けた文章…一部欠けた文章を見せて,その欠けた部分に注目させる。
・理想的な見本(模範)…目指すべき見本(模範)を見て,意欲を高める。
・間違えた答え…わざと間違えた答えを見せることで,子どもたちがそれを指摘する。
など,たくさんの導入の方法があります。
授業内容や子どもに合わせて,取り入れていくのがいいと思います。
何もやらないよりは,何かやった方がいいので,どんどんやっていきましょう。
【参考】
・「教師の授業技術大全」著:三好真史
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